建築礼儀
家造りは絆作り
一般の住宅や、会社・工場などを建てる場合に行う「まつり」には次のものがあります。
解体清祓(旧家屋の解体前に行う祭事)
地鎮祭(家屋の建築工事をはじめるに当たり、最初に行う祭事)
上棟祭(柱を立て、棟木を上げる際に行う祭事)
新宅祭・竣工祭(家屋・会社・工場等の完成後に行う祭事)
家は私たちにとって雨風をしのぎ、安全に睡眠をとり、暮らしの基本・家族の絆を育む場所であり、家造りは一世一大の出来事です。このため無事に家屋が完成し、その後も何の災いもなく、一家が幸福に健康に過ごせるようにと、「まつり」を通して神様にお祈りしましょう。
また、社屋や店舗・工場などの建築の際には、工事の無事と企業の繁栄・工事安全などを祈願します。
初穂料について
神社で神饌(お供えもの)を準備する場合は、別途神饌料を頂戴いたします。
詳しくは神社社務所までお問い合わせ下さい。
祭事の吉日について
大安、友引の六曜他にも吉日はあります。
暦の中の、二十八宿、 十二直を参考にして下さい。
建築関係の祭事は、三隣亡の日は避けた方がよいといわれています。
三隣亡 さんりんぼう
「普請棟上げ、土起こし、修繕大凶」
この日に建築事を行うと、三軒隣まで亡ぼすと言われています。
出張祭準備品
出張祭に際してご準備していただきたいもの
地鎮祭 | ・神饌(おそなえもの) ・杭 4本 敷地のほぼ中央で足場の良いところ2~3m四方に立てます。 ・竹 4本 (杭を立てたところに竹を立てます。) ・盛砂 砂をバケツ2杯くらい ※雨天の場合はテントをご用意ください。 (無料でテントをお貸しいたします。神社までお問合せ下さい。) |
上棟祭 | ・神饌(おそなえもの) ・棟札(むなふだ),御幣串(ごへいぐし)→3日前までに神社にお持ちいただきます。 ※床の間もしくは祭事のできる場所に、へそくらいの高さで台を作っていただいて、おそなえものなどを乗せておいていただきます。 |
新宅祭 | ・神饌(おそなえもの) ・座卓(テーブル)おそなえものを乗せるもの ※座卓(テーブル)は、床の間の前または床の間がない場合は畳の部屋、居間など祭事が出来る場所にご用意ください。 |
それぞれの祭事、また規模等で多少準備品が異なりますので、お早めに神社へお問い合わせ下さい。
神饌(おそなえもの)
神饌(しんせん)とは、神様に召し上がっていただく捧げ物です。
- 米 一升
- 酒 一升
- 魚(尾頭付きのもの1、2匹を30cmくらいの皿にのせる)
- 干物(するめ、昆布、海苔など3~4種類)
- 野菜(季節のものを中心に、3~4種類)
- 果物(季節のものを中心に、3~4種類)
- 塩(小皿に一盛)
- 水(コップ一杯くらい)
以上のものをそれぞれお盆やお皿にのせておいて下さい。
尚、ご準備できない場合は神社にご連絡下さい。
棟礼と御幣
棟礼(写真、右)
高さ約50~60センチくらい
御幣(写真、左)
長さ70~80センチくらい
2.5~3センチ角、深さ30センチくらいの割を入れる
神社にて奉書で奉製いたしますので、御幣の棒と棟礼となる板を神社にご持参願います。
尚、ご準備できない場合は神社にご連絡下さい。
地鎮祭
土地の守り神へのごあいさつ
地鎮祭は、一般に「ぢちんさい」や「ぢまつり」と言っていますが正しくは、「とこしずめのまつり」と訓みます。また、工事の着工に合わせて行う場合は起工式として行うこともあります。
地鎮祭の起源は古く持統天皇の御代(西暦690年)にはすでにこの祭の記録があり、古代より土木・建築等に伴う重要な祭りとしておこなわれてきました。
これまで永い間住みなれた土地に再建する時であっても、守護神に今までの感謝を申し上げ、日々の生活の中で気づかないうちに生まれ育ったかもしれない罪や災いを祓い去り、清々しい気持ちに立ち返って更なる幸福を願いたいものです。
地鎮祭は、私達の人生にも誕生以来いろいろな区切りがあり、その時々にまつりを行い無事発展を祈ることと同じく、建築を行う場合に於いても着工に当たり、その土地をよく祓い清め、守護神に工事開始をご報告し、安全と無事完成を祈願する大切なお祭です。
お祭りの中では盛砂に鍬などを入れたり、鎮物(その土地の末永いお鎮まりを願って謹製されたもの)を埋めたりする場合もあります。
以上のように、地鎮祭は建築における最初の最も意義深い重要なお祭りです。
地鎮祭の工事が始まると近所に迷惑をかけることもありますので、挨拶まわりも忘れずにいたしましょう。
地鎮祭の吉日について
大安、友引の六曜他にも地鎮祭の吉日はあります。
暦の中の、二十八宿、十二直を参考にしてください。
地鎮祭の祭事は、三隣亡・土用の期間は避けた方がよいと言われています。
三隣亡(さんりんぼう)
「普請棟上げ、土起こし、修繕大凶」
この日に建築事を行うと、3件隣まで亡ぼすと言われています。
土用(どよう)
春夏秋冬4回あり、土の動きが旺盛となる季節。
太陽が立春・立夏・立秋・立冬に入る前の18日又は19日間です。
土用中は四季の変化期に当たり土気旺盛なので、動土・穴掘り等の土を犯す作業を避けます(基礎工事や土台造りなど)。
但し、建築では土用前に着工して、土用中も続けることは差し支えありません。
なお、土用中でも障りのない「土用の間日(まび)」に着手する方法もあります。
春 | 土用の入り(毎年4月17日頃)~立夏の前日(毎年5月5日か6日)迄 |
夏 | 土用の入り(毎年7月20日頃)~立秋の前日(毎年8月8日頃)迄 |
秋 | 土用の入り(毎年10月20日か21日)~立冬の前日(毎年11月7日頃)迄 |
冬 | 土用の入り(毎年1月17日頃)~立春の前日(毎年2月3日か4日)迄 |
土用の間日
春の土用の間日 | 巳(み)・午(うま)・酉(とり)の日 |
夏の土用の間日 | 卯(う)・辰(たつ)・申(さる)の日 |
秋の土用の間日 | 未(ひつじ)・酉(とり)・亥(い)の日 |
冬の土用の間日 | 卯(う)・巳(み)・寅(とら)の日 |
※詳しくは神社までお問い合わせ下さい。
上棟祭
土地の神と匠の神をお招きして
上棟祭は、「じょうとうしき」「むねあげ」「たてかた」「たてまえ」などと呼ばれ、親しまれているお祭です。
上棟祭では家の神様、工匠(建築業)の神様と、その地域の神様である産土大神(うぶすなのおおかみ)に、これまでの順調な工事進行への感謝と、これから以後も安全で立派な物が建てられ無事完成することをお祈りいたします。
現在ではすでに屋根も葺いていたり、棟木(むなぎ)、桁(けた)、梁(はり)がない現代工法も多く見られますが、本来上棟祭は、祓い清めた棟木を棟に上げる際のお祭りで、多くの場合は大黒柱を始め数々の柱を立てる際の「立柱祭(りっちゅうさい)」を含めて行っております。
各地域、場所によっても祭事が様々です。たとえば、屋根に五色「青黄赤白黒(紫)」の布を立てるところ、家の四隅に餅を供えるところ、主人の年の数の餅を撒くところと様々ですが、多くの人が地鎮祭とともに必ず行う大切なお祭りです。
これはすなわち、感謝の気持ちと、安全への願いを表しているものと言えましょう。このように、上棟祭とは祝いの祭、感謝・祈願の祭りでもあります。
上棟祭が終わったら、その場で建築に関わっている人たちの労をねぎらうと共に、ご迷惑をおかけいたす近隣の人たちもあらかじめお招きして祝の宴を開き、棟梁、鳶職などの方にご祝儀を包むのが一般的です。
竣工祭
これからも神様と共に
春祈祷
清々しく新年を
新年に当たり、それぞれのご家庭において、家内安全・商売繁盛・身体健康・五穀豊穣等を祈る家庭祭祀です。1月から3月にかけて、各家々で神職を招き、神棚または床の間の前に神饌(しんせん)をお供えし今年一年の平安、家運隆昌を祈ります。
※春祈祷をご希望の方は神社までお問い合わせ下さい。
神葬祭
神道でのお葬式
亡き人を厳かに送る葬送の儀礼(葬儀)は日本ではその多くが仏式で営まれておりますが、もともと我が国には仏式でない固有の信仰(神道)に基づく葬儀がありました。(現存する最古の書である『古事記』(こじき)には、アメノワカヒコ(かみさま)の葬送についての記述があります)
また、神道では「みたま」を「霊璽(れいじ)」(仏式の位牌に当たるもの)にお遷しいたします。仏式では戒名をいただきますが、神道の場合は親から授かったその人が生きてきた氏名そのものが「おみたま」の名前となる点が大きな違いといえましょう。
神葬祭には古い歴史があり、また参列者の方々にわかりやすい(祝詞には故人の事績をすべて読み込みます)ということから、昨今意味ある葬儀式として注目を集めております。
※三皇熊野神社では、急な「神葬祭」についても、いつでも即応いたします。
どうぞお困りの時は遠慮なくご相談下さい。
忌明清祓(お伊勢開き)
身内のご不幸から50日を過ぎ、中断していた神棚のお祀りを再開するにあたって受けるお祓いです。
49日が終わり、50日に神職を招いて忌明けのお祓いをし、神棚の半紙をはがして神棚のおまつりを再開します。
また、公には忌明けの通知をし、通常の暮らしに戻ります。
神棚または床の間の前に神饌(しんせん)をお供えし、一家の平安、皆様の健勝を祈った後、家中の不幸(死)による穢れをお祓いします。
仙北地方ではお伊勢開きと呼ばれています。
その他の出張祭
神様に見守られて
起工式 | 除幕式 | 道場開き |
定礎式 | 氏神祭 | 工事安全祈願祭 |
火入式 | 新年安全祈願祭 | 社運隆昌祈願祭 |
竣工式 | 神棚奉斎清祓 | 忌明け清祓 |
開通式 | プール開き | 井戸・池埋め清祓 |
創立記念祭 | 進水式 | 事故物件清祓 |